おせち料理の名わき役“伊達巻”

2014年12月22日
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 関東と関西の味の違いを説明する時、よく、例に取り上げられるのが、うどんのダシ。いわゆる東京のダシは、醤油をベースにした色の黒いタイプが主流で、これに対して関西のうどんは、煮干や昆布から煮出した透き通ったダシが一般的とされます。

 おせち料理の名わき役・伊達巻にも、関東と関西では、味付けに大きな違いがあります。それは甘さ。昔は、砂糖が高級品で、甘さイコール美味しさ、高級、贅沢品といった意識がみんなの中にあったようで、伊達巻は、おせち料理のスイーツとして愛されてきました。

 関東の伊達巻は、そんな流れを汲んでいるのか、いまもハチミツが滲み出るようなジューシー感たっぷりの甘いものが好まれます。

 一方、関西の伊達巻は、かなり甘さが控えめです。関東の味に慣れている人が初めて関西の伊達巻を食べると、物足らなさを感じるようです。「正月くらい、甘い伊達巻をたべなくちゃ」というのが関東人の主張。

 逆に、関西の人から見ると、関東の伊達巻は「甘すぎて食べられない」と、やはり不満を感じるようです。「最後まで、飽きることなく食べられる、魚の旨味を生かし、ほどほどの甘さに抑えた伊達巻」というのが関西人の好みのようです。
 
 伊達巻は、グチ、ハモ、スケトウダラなどの白身魚やエビのすり身に溶き卵と出汁を加えて、すり混ぜて、みりんや砂糖で調味して焼き上げてつくります。熱いうちに巻き簾(まきす)で巻いて形を整えます。家庭で作る場合はすり身の代わりに、はんぺんを代用することもあるようです。
 
 近年では、新顔の伊達巻が次々に登場しています。お正月だけでなく、一年を通して、茶菓子として楽しむ人もたくさんいます。中に、栗やイチゴやチョコレートなどを入れて、限りなく洋菓子に近い伊達巻が増加中です。伊達巻は、魚のすり身が原料なので、洋菓子に比べて、カロリーも低く、ヘルシー感では、軍配が上がりそうです。味の好みは、人それぞれ、地域によって違います。お好みの伊達巻で、ダイエットおせちで楽しいお正月を過ごしてください。

 ところで、「伊達巻の日」というのがあることをご存知でしょうか。
 伊達巻の名前の由来の説のひとつとされる伊達政宗公が好物だったという説があることから、政宗の忌日に因んで5月24日が伊達巻の日とされています。

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