お節料理のない正月なんて・・・

2015年12月15日
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「お節もいいけど、カレーもね」。あのコマーシャルが流れた頃から、日本人のお節料理に対する意識が変わってきたように感じるのは私だけでしょうか。

モノの本によると、お節料理とは、そもそも節句に供される料理だったようです。節句とは、中国から伝わった五節句の行事に由来するもので、奈良時代には宮廷内で節会(せちえ)として行われ、節会に出される料理を節供(せちく)といったことが御節料理の始まりと伝えられています。

ちなみに五節句とは、人日(1月7日:七草の節句)、上巳(3月3日:桃の節句)、端午(5月5日:菖蒲の節句)、七夕(7月7日:七夕)、重陽(9月9日:菊の節句)のことで、江戸時代に幕府が公的の行事・祝日として定めたといわれます。

この五節句に供される祝儀料理のすべてをお節料理と呼んでいましたが、後に、年の変わり目・人日の節句の正月料理を指すようになったと伝えられています。

ある調査によると、既婚女性約7000人を対象に実施したお正月に対する意識調査では、お正月にお節料理を食べる人は80%以上。また、お節料理を日本の食文化として残してほしいと思っている人は、全体で60%以上、特に20~30代の支持率が最も多いという報告があり、世代を超えて日本の伝統行事を重視する傾向があります。

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さて、お節料理の主役といえば、何と言っても「紅白のかまぼこ」と「伊達巻」。かまぼこが紅白で使われるのは、白は清浄、赤は魔除けを意味しており、赤いかまぼこの形状が日の出をイメージさせるといわれています。

伊達巻の伊達は、華やかさや派手さを意味しお節料理に豪華さを与えています。また、巻物をイメージする形状が文化、学問や教養を連想させることから縁起物として使われています。

ことしのお正月、お節料理を食べながら、それぞれの食材の意味について考えるのも一興かもしれません。

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