かまぼこ造りに欠かせない道具“つけ包丁”

2016年5月13日
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今となっては、古い話ですが、昭和30年代に、大ヒットした「月の法善寺横町」という歌謡曲がありました。藤島恒夫さんという歌手が歌った曲で、その一節に「庖丁一本、さらしに巻いて、旅に出るのも、板場の修業」という歌詞が。

老舗料亭の板場に勤める奉公人と、その店のお嬢さんとの許されざる恋を歌って、当時、一世を風靡した曲ですが、その頃は、かまぼこ職人も懐に庖丁一本、忍ばせて、各地の店を渡り歩いていたようです。業界の長老達から、この曲と似たようなエピソードをいくつか、聞いたこともあります。

料理人にとって、庖丁は、欠かせない道具の一つですが、かまぼこ職人が使う“つけ包丁”をご存知でしょうか。一見、刺身包丁のように見えますが、普通の包丁と違って、包丁の命である刃がないのが特長です。

板かまぼこの山形を作ったり、竹輪を巻いたり、揚げかまぼこを成形したり、切出しかまぼこを作ったり、職人たちは、この包丁1本で自在に様々な形を仕上げてゆくのです。かまぼこ造りの魔法の道具というところでしょうか。

このつけ包丁ですが、他の料理作りに使われることはなく、かまぼこ造りにしか使われないようです。
このホームページアドレスにアクセスしてみてください。実際にかまぼこ職人がつけ包丁を使っているところをご覧いただけます。
かまぼこ職人動画 ←

かまぼこ職人の包丁さばきを見ながら、かまぼこを肴に一献傾けてみるのも、また一興かもしれません。

包丁
左側の包丁が”柳刃包丁”、右側の2本が”つけ包丁”

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