各地から紅葉の知らせが届くようになりました。肌寒さを感じる夕暮れ時には、つい赤提灯に誘われておでんで一杯。
おでん種の好みは、世代や、男女によって大きく変わるようですが、隠れた人気おでん種のひとつが「バクダン」です。
ゆで卵を丸ごと、すり身で包んだ通称「バクダン」は昔から、隠れた人気のおでん種です。
しずかに煮込まれた、おでん鍋の中で、黄色、白、衣の茶色の色鮮やかなバクダンに、思わず注文してしまう鍋族も多いようです。
一部に、うずらの卵を使う製品もあるようですが、本来のバクダンは、鶏卵を使用します。見た目も食感も、スケールも醍醐味が違います。
さて、この「バクダン」は、関東では、一般的ですが、日本全国至ところで製造されています。長崎では半分に切った断面が龍の目に似ているところから「龍眼」と、呼ばれ、長崎かんぼこ王国のおでん種のエースに据えられています。
最近では、日本橋のコレド室町2の地下1階に出店した鹿児島のさつま揚げ専門店の「半熟卵天」が話題になりました。切ると、中から美味しそうな半熟の黄身が流れ出ます。
半熟卵天をつくるためには、卵の黄身と白身の凝固温度が違うので、それを計算して卵を茹でて、薄いすり身に包んで揚げなければならず、手作りで、大量生産できないため、職人さんの腕の見せ所というところでしょうか。
じっくり煮込まれたバクダンの鮮やかな切り口を見ると、おでんの季節到来です。
ぜひ、この秋冬、試してみてください。